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  ロシアへ贈ろう扇たち

 
2001年夏 うちわを求める旅
     

    2001年夏、 うちわを求めて 各地へ出かけました
 日本の美しいうちわとの出会いがありました。

6月 
 岡山市物産館で岡山撫川(なつかわ)うちわ」を買う。
 昨年集めて、ロシアへ送った中に、古いがきれいな撫川うちわがあった。贈り主はきっと大事にしてみえたものだっただろう。このうちわから出る風のなんとも優しいことに感銘を受ける。作っているのは、岡山の「撫川うちわ保存会三杉堂」さん。売っているのも岡山市内だけのよう。
 技の集まりです。竹を細く切って、紙を切り、継ぎ手のところの紫の雲がた張り紙もすごいが、絵柄にあわせた俳句が切り文字にしてある。これがなんと書いてあるのかを光に透かして読み解くのもおもしろい。涼しげな水色も暑さを忘れさせてくれる。
 11,000円。
 03年10月、モスクワへ持っていき、エレーナに手渡した。美しさに喜んでいた。

6月
 エレーナへ、うちわがデザインされている日本物を送りたい。なにがいいだろうかと、デパートをめぐっていたら、みつけたのが、うちわ柄のゆかた。
 色違いで、2枚つくる。紺地に白模様は私用に、白地に紺模様は、遠くロシアのエレーナ用にと作ってもらう。
 
 02年1月サンクトペテルブルクへ持っていき、手渡した。
 彼女は狂喜した。「夏にサンクトペテルブルクの大通りを、いっしょにゆかたを着て歩こう」の約束をした。

7月
 用があり東京へ出かける。浅草界隈の「うちわ屋」を覗く。「うちわの人気が復活しています。宣伝用やお祭り用がとても売れています」。
 ここで、面白いデザインもの10本ほどを買い求める。



8月
 三重県にはきれいなうちわがあると聞く。伊勢神宮のお土産に、以前は伊勢うちわが売られていたらしい。
 伊勢へ出かけ、おかげ横丁で、「四日市日永うちわ」と「茄子団扇」に出会う。その品のある美しさと、低迷した人気が、最近復活してきたと聞き、うれしい。本物は廃れないものだ。
 四日市日永うちわは、透かし彫りが涼やかで室内装飾品として部屋に飾るだけでも、涼が得られる。四日市市うちわの稲藤さんがつくっている。
 三重県津市の賀来商店が作っている「茄子団扇」は、見た目の美しさと共に、実用的なしっかりしたつくりと上品さは、これを創作した江戸時代の武士の誇りをいまに伝えていると思う。

四日市日永うちわ

茄子団扇


ともに値段を失念する。それぞれ、5,000円前後だったか?
 03年10月、エレーナに手渡した。

8月
 奈良県に行く。奈良市内繁華街にその店「池田含香堂」さんはあった。
 これも昨年集めて送ったなかにあった「奈良団扇」を求めるために。

  いまたった1軒となった奈良団扇の製造販売の店先には、色も形も美しいうちわが何本も飾られて、買い求める人も多くやってきていた。
 紙を重ねて、奈良ゆかりの正倉院かざりなどを切り抜く。竹にずれないように透かし紙を張り合わせるという細かい作業は、熟練を要する職人技。その技術によりお値段はいろいろだが、冠がデザインされた黄色のうちわがとても気に入った。透かし彫りの小さい穴から世間を見渡すのも、おもしろい。もちろん風も優しい。3,500円。
 03年10月、エレーナは、デザインに興味をしめし、細かい作業をしっかりと見て取った。それは、専門家の目だった。


8月
 香川県金毘羅宮から丸亀へ行く。
香川県もうちわ作りに盛んな町で、「うちわの港ミュージアム」が港近くにあるという。暑い日だったが出かけた。ここはおもしろい。

 丸亀市は、日常使いのうちわがどんどん生産されている町です。JRの駅に置かれた地図もうちわでできており、小学校の授業にもうちわ製作実技が取り入れられているという。
 「竹を削るのがうちわ作りで大事なこと。竹を削るのは、削り刀。これがどのように発展していきたかが、うちわの発展ですよ」と、実演を見せてくれた職人さんのことば。あざやかな手つきで、丸竹を削っていく。
 ここではいろいろな大小のうちわを買う。

 琴平町の金毘羅宮は石段の両脇にはおみやげ屋がならぶ。どこにも、金の字を○で囲んだ“丸金赤うるしぬり”うちわとでもよぶのか、実用的うちわが売られている。

 金毘羅大芝居「金丸座へ行く。ものすごく良い気が流れる芝居小屋で、いにしえの観客の歓声と俳優の美しい姿が浮かぶ。スポンサー企業のうちわが大量にあったので、1本拝借した。(ごめんなさい)。



8月 
 岐阜県岐阜市へ行く。
 こうしてうちわを求めていると必ず自分の身近に、うちわにまつわる大きなことが起きるものです。岐阜市歴史博物館で“特別展「日本のうちわ=涼と美の歴史」展覧会が開かれているではありませんか。
 
 これもとてもおもしろく、為になる展覧会だった。というか、エレーナに見せたいと思う。

 この会場から近くの岐阜うちわ製作販売店=住井冨次郎商店へ行く。展覧会会場でも制作工程をみせていただいた。
 いままで見てきたどれよりもしっかりがっしりしている実用的なうちわ。漆が塗られた赤い色に鵜飼のかがり火を金色で表したこのうちわが気に入る。以前は、岐阜うちわのお店も多くあったが、いまはここ一軒だけとか。
 親切な奥様は、「工程がいくつもあり、1本つくりあげるのに時間がかかるのですよ。だから大事なものです。外国人も喜んで買ってくださいます」。3,200円。

 03年10月エレーナに手渡したとき、彼女はこの赤色の美しさと「鵜飼」に興味を示した。
 


 8月
 倉敷天領うちわを知る。高級装飾品です。貴重な1本買い求める。
 全国のうちわを研究し、自分で竹から育て、紙も選び絵も書き、3枚の紙を合わせ透かしも施す、この手の込んだうちわの製作者は倉敷市の森田史龍さん。
うちわに関しては、その後もいろいろご教示をいただき、感謝しています。
 03年10月 エレーナには「高級品だよ」と念をおし手渡す。

8月
 京うちわを名古屋のデパートで買う。涼しげなデザインが気に入る。京都で作られこのうちわは、柄に紙を挟みこんでいる。ばたばたとあおぐうちわではなく、やんわりふうわりと風を送るもの。4300円。
 下の写真: 中段の右、白色トンボ模様が京うちわ 

 エレーナは、「京都はきれいな町か?」と聞いた。いつかエレーナを京都へ連れて行きたい。
       
    
       いまは、サンクトペテルブルクにいる、うちわの数々